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2007年7月 5日 (木)

「空気感」について

 僕が色んなイベントを見て、「これはイイ!」と思えた雰囲気というか空気というか・・・なんか感覚的なことなので上手く言えませんが。参考にしたイベントが三つあります。

 ひとつはフジロック(特にフィールドオブヘブン)です。「なんなん、このユルさとピースフルな感じ!」と思って、ヘブンなぞは敷地の一番奥にあるのも手伝って(今はオレンジコートが一番奥ですが)帰って来れなくなったぐらい、人をダメにする場所。正に音楽付けの非現実空間。3日目にはその音楽さえどうでも良くなるほどダメ人間になってしまう、働きすぎで遊び方を知らない日本人に対しての啓蒙的なイベントだと思いました。そして一方でフジは出演者の皆さんがステキであり、お客さんの自主性や成熟度も含め、全てが好きです。今も、時間があれば毎年通っています。

 二つ目はライジングサン。邦楽だけで、それも北海道でやる意味が毎年感じれて好きです。フィッシュマンズ見に行った一回だけですが、北海道の自然と、キャスティングの妙と、1泊2日のはかなさと・・・なんか日本の良いとこどりばかりで、日本人にしか出来ないフェスティバルだと思うのです。

 三つ目は、地元大阪の春一番。何が良いって、大阪でしかあり得ない「マイノリティ」加減だったり、情と熱意にかられた「意地」だったり、遊び心を忘れない「子供心」だったり。そして何よりも日本一「お客さんと出演者の距離感が無いイベント」だと思うのです。客席と楽屋の敷居が無い、対等のイベント。ステキな演奏には拍手を、しょっぱい演奏にはヤジを、ステージからもお客さんに対して罵声?を(笑)。とにかく、どっちかがエライという、封建的な日本のライブ会場の悪しき、かつありがちな雰囲気が無くて、フラットなんですね。この対等さは平和につながって、人に優しくなれます。

 来て頂いた方は何となく解って頂けるかもしれませんが、実際過去のOTODAMA出演者の皆さんは、自分の演奏以外は客席でお客さんと一緒に他のアーティストのライブを見てる場合が多いです。客席に行けない人(囲まれたりして、迷惑かけるのを自覚してる方)もステージ袖で他のバンドの演奏を見てることが多いです。例えば、民生さんなんかもふと気付くと結構舞台袖で見ていることが多くて、逆に感心させられます。これは、主催車としては凄く嬉しいことなんですね。僕らが好きなバンドをお客さんと他のバンドにも気に入って貰えるのは幸せ。そこで刺激しあったり、一緒にコラボに発展したり、活性するきっかけになったりしたらもう最高です。(実際「SINGER SONGER」なんかはRUSH BALLで「くるり」と「Cocco」が同じ日に出たことがきっかけになりました)

 「お客さん」と「スタッフ」と「出演者」の皆さんが3者とも横並びで「楽しい!」に越したこと無いですよね。欲を言うと警備員さんやアルバイトの係り員の皆さん、焼きそば焼いてるオバちゃんもライブ見て楽しんで欲しいのですが・・・仕事にならないので微妙なとこです。まま、その辺のおおもとの考え方は「春一番」に影響されてます、僕は。大阪でこの仕事やる以上、心のどっかに残しておきたいちょっとした地元民の「プライド」のようなイベントです。

 なんかネタバラシみたいですが・・・、ただこの「雰囲気」はいったいどうやったら具体的に出せるかが実は解らないのも確かです。目標を持って、目先のことを何が「必要」で何が「無駄」か、一個々選んでいって当日迎えるしか無いんですけど、抜本的に「コレしたらバッチリ!」という答えは全然解りません。わかんないけど、目指したいと思います。そして最終的に当日雰囲気を作って頂くのは「アーティスト」であり「お客さん」であると、人ごとのように思うのも本音です。実際当日はこの規模になると何も出来ないので・・・はい、だから当日まで頑張ります。

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