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2015年9月12日 (土)

回想「俺達の時代編」

 (「闘魂編」からの続き)

 6日朝、起床。いや、アニマル浜口並みの「気合い」で起きた。バンドとお客さんのこと考えたら、眠いだのお腹空いただの彼女欲しいだの(それは男湯)言ってられる訳がない。そして昨日とうって変わって雨模様・・・神様おらんなぁ~・・・やっぱ、おみくじ木に括るのは辞めようと誓った番台です。

 
 大阪市内に泊まったので朝イチ、a flood of circle号に便乗して会場に向かう。
朝早いけど、メンバーは元気。佐々木君はどんな状況でも前向きなところが凄くイイ。幾多のメンバーチェンジを経て「がっかり慣れ」してるタフさは、僕も見習ってます。
 ワイパーに結構な雨がふり注ぐ。野外の功罪だけど、去年並みの豪雨はご勘弁。
 着くと、アドバルーンがほぼ地面と並行に“鯉のぼり”みたいに飛んでる♪いや、喜んでる場合ではない。風がそんだけキツイってことだ。アドバルーン屋さんから「この風では無理なんで撤収します」と帰られてしまった。ということで、2日目は当日券告知のバルーンは無し。これで当日券の売上げが減ったとしたら興業的にとても痛い。キュウソのメンバーにも見て貰う前なのに、、、朝からちょっと凹む。
 flood、セクマシのリハの頃にはお客さんが続々と会場に到着。昨日と違ってお客さんの足が凄く早い!若いなぁ・・・そして雨なのに元気!凹んでらんない。
 お客さんのことで言うと、今回「2日通し券」買って頂いたお客様も結構いらしゃったのはびっくりしました。その数なんと約2500!
 えっと、アレでしょ?ハナレグミとグドモ、セクマシとシンリズム、METAFIVEとモーモー、レキシと赤犬(これは分からんでも無いw)etc・・・これ一緒に聴けるってことでしょ?こんなア○タ○マおかしいヒト2500人も居るんや!最高じゃないですか!
 お客様ご入場。今日は「俺達の時代編」なので前説は「男湯」が担当~ガリちゃん。ステージ袖で聞いてると喋りはよく聞こえないのでスベってんだかウケてんのかよく分かりません・汗。でも客席見るとお客さんがみんな笑ってる(失笑?)ので、良い良い。
 雨だから特に笑いの力でみんなを元気になって貰えれば。入浴宣言大事!
 a flood of circleの4人は赤い衣装で登場。赤はもちろん「燃える闘魂」の色だ!(イノキのタオルはもちろん赤)凄いあわせてきた!この男気には参りました。雨でグチャグチャなのだけれどお客さんは踊りまくってくれてる。この光景を見て既に胸が熱くなった。「今日も良い1日になる!」と確信。
 実は今日の「俺達の時代編」個人的に今回はテーマがありました。
 ここ数年思う、ライブをやるバンドの「肝(キモ)」のひとつに
「お客さんを如何に躍らせるか(ノらせるか)」
ということがあると思っています。
「ノらせる」なんてことは昔から当り前なれど、今やその方法が多様化して「8ビート」に収まらず、「四つ打ち」なのか「テンポ」なのか、「タテ」なのか「ヨコ」なのか、「隙間のグルーブ」か「詰め込む圧倒感」なのか、「腰から躍らせる」のか「変調、変拍子」なのか、「ループで覚醒させる」のか・・・といったアプローチが本当に多種多様。
 キャスティングする時にそこを意識したので、アタマから最後まで様々なスタイルのバンドに集まって貰えた感があります。
「好き嫌い」個人の好みはあるけれど(「良い悪い」でもない)、各バンドがそこにかけて切磋琢磨する様が見れればステキだなと思っていました。
 結果お客さんがどう感じてくれて、自分にあう新たなグルーブに出会って頂けてたら嬉しいです。
 若手中心なので、うちもこの日の主役は「男湯」と「桶洗い」。僕は出来るだけ楽屋でお仕事しよう・・・とはいかず、やはりライブが始まるとチョロチョロと気になって見に行ってしまう。やはりチケット代払うからパス返したい。
 今日は今日でみんな良いライブやっている!
 若くて同世代、仲良しのバンドも多いけどみんなステージ上がれば「俺達の時代」(ココは無理やり引用)。
 自分達が一番だ!という気持ちを持ってやってくれていたと思います。
ロックバンドはなあなあで仲良しこよしなんか要らない、こんなヒリヒリする感じがやっぱ見たい。
 そう!天龍と藤波、長州、鶴田達がそうだったように!!
 特に僕らが普段ご一緒していない(他団体からリングに上がってくれた訳ですね)グドモとKEYTALKは新しい風を運んでくれてとても感謝しています。これからも繋がれると嬉しいです!
*今更ですが、このプロレス押し。殆どの人が多分理解してませんよね?・・・そう思うとマイノリティ過ぎてちょっと怖くなってきたぞ
 
 イベントの中盤にやらせて頂いた「フラカン熱湯CM」。ここは自分の担当でもあったのでちょっと書かせて貰います。
 フラカンを知らない若いバンドやお客さんに46才のオジサンバンドが初めて武道館に挑むことを知って欲しかった。
 昨今昔みたいにCD売れないし、音楽やってもなかなか辛いことが多くて夢も持てなくて不安が先に立つバンドが多いけど、そんな時こそフラカン見て勇気貰って欲しい。
 僕ら一般人も武道館でなくともそれに似た目標を持った時、そこに向かっていく「糧」にこのバンドがなれば嬉しいなぁと思います。
 その為には絶対に武道館は成功しないといけない!
 これはもう国民的な問題な訳です!
 武道館やったバンド、これから挑むバンドはたくさんいますが、怒髪天とフラカンはちょっと意味合いが変わると思い、エリア違えどなんだろうと出来ることはやっておきたいオジサンイベンター魂(僕のこと)。
  で、内容はまず、四星球のみんながバックバンドを買って出てくれた。
分かってたけど四星球は「コミックバンド」の基本がやっぱりしっかりて、実は演奏力が高い。これが無いとね、コミックバンドは本当に「笑われて」終わり。笑いを基本にしてはいるけど、そこはバンドなので舐められてはアカンもんね。
 そしてPOLYのハヤシくん。この為に、それも1曲だけの為だけに東京から来てくれた(泣)
お願いしたのは僕らだけど、1曲は流石に気がひけます。。。ご恩は必ず返します。凄いテンション感、ハヤシ君ならではの「恋をしましょう」とても良かったです。
 ドレスコーズ志磨くんも自分の本番前に関わらず、そしてあろうことかフラカン武道館と同日に東京でツアーファイナルが被っているのにも関わらず快諾して貰えたのにはアタマ下がりました。僕も大好きな曲ロックスター志磨くんらしいカッコ良い「はぐれ者賛歌」。本家よりグッときたかも(笑)
 そして北島くんの「深夜高速」エレカシ宮本さんVer(?)これもとてもエモくて良かった!やるときゃやるなぁ、感心。
 その間奏中、袖からホンモノのフラカンボーカル鈴木くん登場。「出ません」と告知しながら、毎年来てくれてるお客さんはもう出るの分かってたと思いますが。。。やっぱベタなこともしたいですやん。(これもプロレス的なことではある)
 曲終わりでフラカンメンバー4人とも出てきて「ファンキーヴァイブレーション」で終了。泉大津でこの曲やんなきゃいつやるの!最後までベタですいませんでした。
 これ見て頂いて12月19日武道館に足を運んで頂けたらとても嬉しいです。僕も今回はチケット買おうと思ってます!
 飲食では個人的に大好きなカレー「ヤム邸」さんが入ってくれましたが爆発してたみたい。「並ばなくて良いイベント」も撤回。ある種、無理言ってお願いしたのですが、食べれなかった方ごめんなさい。スパイス系カレー好きな方は是非一度どうぞ。中之島と空堀にあります。双方美味しいけど僕は辛めの中之島が好み。長堀は優しいです。最近出来たグランフロント店はまだ行ったことないのですが、美味しいのは変わらんと思います。出店お礼にちょっと宣伝。
 
 雨は降ったり止んだり、途中ちょっと強くなった時もあれど何とかイベントは進めさせて頂けました。流石に地面はぬかるんでしまいましたが、終始お客さんが元気に踊ってるのを見れてそこもグッときました。皆さん有難う。
 しかし両ステージとも「俺達の時代」感バリバリ!
 露天はライブ会場で言うと「クアトロ」「BIGCAT」クラスのバンドが目白押し。
それぞれの「踊らせ方」で切磋琢磨感ハンパ無かったっす。
30分1本勝負にオリジナルの必殺技を連発!ギブアップorピンホール勝ち続出で「リングアウト引き分け」ってしょっぱいライブは一つも無かった。
男湯の運転する軽トラで客席登場したコムアイちゃんだけは反則勝ち。因みに本番直前に決まったそうです。カワイーから許す♥
 どのバンドもセットリストがガチで正面から挑んでくれてるのが分かって、とても嬉しかったです。このバンド達の時代がもうキてると思いました。
 大浴場も後半OKAMOTO'Sは、「隙間のグルーブ」を基本に違うアプローチも取り入れてもはや風格も出てきたのにはびっくり。ドレスコーズのバックバンドもホント良かった。ボーカル・シマオカモトVerを僕らのイベントで見れたのはホント幸せ過ぎました。R&Rの「核」が見れた感。
 
 最年長のサンボマスターは「若手なのか?」って異論もあるかもしれませんが、僕からすると先輩諸氏からのバトンを正当に受けてるのはこのバンドかと思います。聞いた話しでタモリさんが「メチャクチャ音楽知ってるけど、自分がいざやるとなるとこうなっちゃうよね~。俺もこうなるわw」とサンボを称して仰っていたらしいですが、全く同感。実践するとこんなんなるのは凄く正しい!雨で地面が泥(ソース状)なとこからインスパイアされたのか「二度づけ」コールは爆笑でした。
 
 3回目の出演、クリープハイプは今年も「1回目の悔しさ」を胸に(しかし尾崎君は引っ張るなぁ・苦笑)キレッキレのライブ。先月尾崎君がスカパラと一緒にJANUSでライブをやった夜に、今回クリープハイプに込めた気持ちを伝えたのですが(詳しくは内緒)、もうそれに応えてくれる満点のライブだったと思います。よく言いますけどこっちが「10」投げて「10以上」で返してくれると本当に嬉しい。また僕らがそれ受けてこれからそれ以上返さないといけなくなる。バンドと僕らの関係ってそんなもんだと思いますし、そうあるべき。
 四星球は春に野音でやったキュウソとの2マンとリンクして、露天のトリ。
もう抜群の信頼に応えてくれました(10投げたら20、30で返してくるからちょっとうっとうしいw)。今年出てない、民生さんやモンパチのカバーメドレーとか、、、なんて(ダサくて)イキなバンドなんだろう。笑い泣きチャンピオンやね。「四国関西地区限定」やけど。こんなイキなバンド、何とか全国区になって欲しいと思います。「2年後、オトダマ15周年!僕らにトリやらせてください!!」ってステージでいきなり言っていた。これがあるからこのバンドのライブは見てないとアカン(不安で)。去年はステージから直でイジられたので隠れて見てました。
 そっかー・・・そんなに思ってくれてるんや。
 感動した!ええよ!!
「SET YOU FREE テント」の「トリ」で決定☆
 そしていよいよトリのキュウソ。
サウンドチェックでまたしても、と言うか今日だからこそなのか「清水音泉ぶっとばす」(ビクターさん、そろそろ印税振込み宜しくお願いします)。
 本番は考えに考え抜いたと思われるセットリストと演奏、MCで過去の音泉魂に対するリスペクトとか今回の思い入れで、さすがにグッときた・・・マチガイ無く過去のキュウソのライブで一番キた。
 途中MCで花火誤爆するうちの担当もどうかと思うが、曲中で花火上げたりでここしか出来ないオモロータッグが組めた気がします。メンバーにはホント感謝の言葉しかない。来年は心おきなくRUSH BALLに出て!
てのはほぼ冗談ですけど、初の野外大き目イベント(やはり「フェス」って言えない)のトリ、お疲れさんでした!なんかこのライブでバンドが一段上に行けたなら僕らも本望です。これはキュウソ以外のバンドも全てそうですけど、少しでも僕らのちっぽけなイベントが踏み台になってくれたなら嬉しい。
 アンコールで披露してくれた「新曲」は、僕らに内緒で「OTODAMA(清水音泉)ありがとう」というおそらくこの日だけの歌詞で演奏してくれました。
僕らをイジりまくった歌詞で「覚えとけよ!」と思う反面、ちょっと泣けた。ありがとう。キュウソトリでホント良かったよ。
(ということでビクターさん、更なる印税の入金宜しくお願いします)
 これも冥利に尽きるなぁ、と感動してたら最後セイヤおとん(本物)がバイクで出てきて22時~始まる802レギュラー番組にセイヤくん乗せて二ケツで向かったのは主催者ながら笑いました。特にエンジンかからずに出てくるのが遅れた「モってるおとん」には大爆笑。こんな「現場処理」のイベント演出ってあるのか??
「人生現場処理♪」(by FM802 DJマーキー師匠)
この言葉を座右の銘にしている僕らは大アリですけど。
特に今年は現場処理感ハンパ無かったなぁ、、、プロの仕事ではないよなぁ・・・。
反省はするけど後悔はしません。
 最後ズッコケエンディグからの、露天風呂はピエール中野君会心のDJ!前回を上回るア○ホなお客さんが集まっていて・・・それはそれで奇跡的な光景でした。なんなん君達?何回もゆーけど全部"人の曲"やで!そんなアホみたいに笑顔で、みんなそんなに帰りたくないのか?w オジサンも少し終わりたくなかった。お客さんも中野君も最高でした。
 しかし2日間通して本当に良いライブ、ベストアクトが続出。
 お願いして後悔した出演者さんは皆無でした。
 嘘みたいな2日間が終わりました。
 あれから1週間経ちますけどまだ夢みたいで、ぽわんとしてます。
 僕らは「高い音楽性」と「高い人間力」を持ったミュージシャン、バンドが大好きです。
2日間そんな方達にこれだけ集まって頂けて、本当に幸せでした。
 また、おそらく同じことを思って頂いている、同じとこ見てくれているであろうお客さんに今年も集まって頂けて・・・感無量とは正にこのこと。
 正直スタッフ一同ボロボロにもなりましたけど、この幸せを感じれたのでまだやっていけると、いや!やらせて頂けると思います。(社員の顔見るの怖いよぉ)
とにかく、集まって頂いた皆様に今年も最大級の感謝をしたいです。
 ジョー・ストラマーがフジロックを指して
「年に1回、生きているってどういうことか知る。それがフェスなんだ」
という言葉を残しました。
 確かにそうかと思います。フジロックが凄過ぎて僕らは「大人の学園祭」と自称していますが、音楽に身体と心動かされて、飲んで食べて、時には昼寝して、音楽に育まれた1日に幸せ感じる。この2日間が皆さんにとって、そんな日になっていたならばとても嬉しい。
 でも「忘れられない1日」にはしたいけれど「思い出」ってことにはしたくない気持ちもあります。「1年で夏フェスにしかライブ行かない」ってお客さんがいれば僕らとバンドの負け。
 イベントは横に広げる場所で、ワンマンは深く掘る場所。
 深く掘り下げて貰いたいから僕らはイベント組みますし、バンドもワンマンに全精力を傾ける。そこにはフェスには感じ得ない何かが絶対にあるのも事実。
イベントきっかけでそこにも辿り着いて頂けたら最高です。
 
 あと、こっ恥ずかしいけどよくまわりの人から
「音泉は愛されてますね」と言われます。
 それは素直にとても嬉しくて、勿体ない言葉なんですけど「そう思われよう」と思ってやってはいないのでドキッとします。
 YUKIちゃんが数年前のツアーで、
「愛される為にはまず人を愛さなければいけない。必要とされる人間にならないといけない」
というメッセージを発してました。(さすがKING夫人、その通りですね!)
 家族、友人、色々あてはまりますけど、これを仕事で実践しよう!と思って
「愛しいバンドとお客さんの為に」
と思ってやってます。結果愛して貰えてるならばとても嬉しいし、こんなに有難いことも無いです。
 でも、こんな2日間終わるとまだ足りないとも思わされます。
 事実今年も結局バンド、ミュージシャン、スタッフさん、良心的なお客さんに助けて貰って2日間成功することが出来た訳で、
 しいては数々のミュージシャンから貰ったメッセージを実践してるだけのイベント、会社な訳で。
 この頂いたものは明日以降また返していかないといけない。
 うん、返します、返さねばならない。
 
 2日目の打上げはキュウソネコカミ・セイヤくんの802レギュラーの生放送のおまけつき。
 僕は11年目で初めて打ち上げに行かず撤収組に居ながらこのラジオを聴いてました。
みんな入り乱れて実に楽しそうだ。「俺達の時代」もノーサイド。
 客観的にイベントがどうだったのかは察しがつかない面もありますが、打上げが楽しいってことはきっとイベントも成功だったのではないかと思います。
 おそらく見えない、聞こえてこないところで数々の失敗、悲しい思いをさせてしまった方もいるかとは思います。そこはお詫びしたいし、是非叱ってやって欲しいです。
 至らぬところもありながら皆さまのお陰で今年の夏も最高の終わり方が出来ました。
 これを当り前に思わず、また来年やらせて頂けるならば初心に返って開催したいと思います。
 その為には、また1日づつ良いライブするバンド、アーティストを応援していきたいと思います。そしてあくまで軸足は皆さんお客さん側で。
 ちょっとオーバーですけど、お互い元気で生きてまたあの場所でお会い出来ればいいですね。
 今年も本当に有難うございました!      
 2015年9月12日 清水音泉/番台 及び社員一同
 
 
 
 

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